※掲載情報は2026年8月7日時点で確認した公開情報をもとにしています。最新の内容は各ガス会社・行政の公式サイトでご確認ください。
「電気は乗り換えたけど、ガス会社ってそもそも変えられるの?」——そう感じている方は多いのではないでしょうか。実は都市ガスも2017年から自由化されており、ガス会社 切り替えは今や特別なことではありません。この記事では、都市ガス自由化の仕組みと、切り替えのメリット・デメリット、申し込み前に確認すべき注意点を、元量販店員が実務経験を交えてわかりやすく解説します。
結論:都市ガスは自由化されており、ガス会社 切り替えは可能です。ただし対象外の人もいます
結論からお伝えすると、都市ガスを契約している方であれば、ガス会社の切り替えによって毎月の請求先を変えることができ、料金プランやセット割の選択肢が広がります。切り替えても、ガスを家庭まで届ける導管(どうかん。ガスを運ぶパイプのことです)は今までと同じものが使われるため、供給の安定性や安全性が変わることはありません。
ただし、次に当てはまる方はこの記事の恩恵をそのまま受けられません。①プロパンガス(LPガス)を契約している方(都市ガスの自由化とは別の仕組みのため対象外です)、②集合住宅でガスがまとめて供給されている方(管理会社・管理組合の同意が必要になる場合があります)、③そもそも都市ガスの導管が届いていない地域にお住まいの方(選べる会社自体が少ないか対象外になります)。
まずはご自身がどちらに当てはまるか、次の章で仕組みから確認していきましょう。
そもそも都市ガス自由化とは?仕組みをわかりやすく解説
都市ガスの小売全面自由化は2017年4月にスタートしました。電気の小売自由化が2016年4月だったため、その1年後に続いた形です。東日本大震災以降、家庭用エネルギーの価格を安定させる目的で経済産業省の審議会が改革案をまとめ、実現した制度です(出典:東京ガス公式サイト「ガス自由化とは?」、確認日2026-08-07)。
自由化前は、住んでいる地域によって契約できるガス会社が1社に決まっていました。自由化後は、その地域の大手都市ガス会社に加えて、新規に参入したガス会社からも自由に選べるようになっています。
ここで大事なポイントは、自由化されたのは「ガスの小売(お客様への販売)」の部分だけだという点です。ガスを各家庭まで届ける導管の管理・保安対応は、引き続き地域の「一般ガス導管事業者」が担っており、ここは自由化の対象外のまま変わっていません(出典:エネチェンジ「ガス自由化Q&A その5」、確認日2026-08-07)。
つまり「契約する会社」は変えられても、「ガスを運んでくる管そのもの」は変わらないということです。この点を理解しておくと、切り替えに対する不安がかなり減ります。まずは自由化前後で何が変わったのかを、表で整理してみましょう。
| 項目 | 自由化前(〜2017年3月) | 自由化後(2017年4月〜) |
|---|---|---|
| 契約できる会社 | 地域の大手都市ガス会社1社のみ | 大手都市ガス会社+新規参入の会社から選べる |
| ガスを届ける導管 | 地域のガス導管事業者が管理 | 変更なし。同じ導管をそのまま使用 |
| 保安・緊急時対応 | 地域のガス会社が対応 | 一般ガス導管事業者が引き続き対応(変更なし) |
| 料金プラン | 国の認可制で地域一律 | 各社が自由に設定(セット割・ポイント還元等あり) |
| 切り替え手続き | そもそも仕組みがなかった | 新しい会社に申し込むだけ。旧契約の解約は基本的に自動処理 |
出典:東京ガス公式サイト、電力・ガス取引監視等委員会「ガス小売全面自由化に関するよくあるご質問」(確認日2026-08-07)
電気の自由化のニュースはよく見た記憶があるんですけど、ガスも同じタイミングだったんですか?
電気は2016年4月、ガスはその1年後の2017年4月です。実は量販店では電気とセットで通信費の見直しをよく提案していたんですが、ガスまで踏み込んでご案内する機会はそれほど多くありませんでした。お客様から「電気は見直したけど、ガスはそのままなんです」という話をよく聞きましたね。仕組み自体は電気とよく似ているので、次の章でメリット・デメリットを整理していきますね。
ガス会社を切り替えるメリット・デメリット
まずメリットからです。1つ目は、料金プランの選択肢が増えることです。電気やインターネットとのセット割、ポイント還元などが用意されている会社もあり、組み合わせ次第で家計全体の管理がしやすくなります。
2つ目は、手続きの手間が意外と小さいことです。電気の切り替えは工事も立ち合いも一切不要でした、というのが現場でよく驚かれた説明です。ガスの場合も基本的な仕組みは同じで、契約の切り替え手続きだけで完了し、開栓時の立ち会いが必要になるケースを除けば、大掛かりな工事は発生しません。
一方でデメリットもあります。1つ目は、料金が国際的な燃料価格の影響を受けやすくなったことです。自由化前の認可制と違い、各社が自由に価格を設定できる分、LNG(液化天然ガス)の輸入価格が上がると料金に反映されやすくなります。
2つ目は、対象地域が限られることです。都市ガスの導管が整備されていない地方では、選べる会社自体が少ない、あるいは自由化の恩恵をほとんど受けられないケースがあります。
3つ目は、使用量が少ない世帯では会社を変えても体感できるほどの差が出にくい場合があることです。比較サイトのシミュレーションでも「結果はあくまで目安」と明記されていることが多く、契約中の使用量やプランによって差が大きく変わる点は理解しておく必要があります。
メリット・デメリットを踏まえたうえで、実際に切り替えを検討する前に確認しておきたい注意点を見ていきましょう。
賃貸マンションに住んでいるんですが、それでもガス会社を切り替えられますか?
物件によります。都市ガス導管が個別に引き込まれているお部屋であれば切り替え可能なケースが多いですが、建物全体で一括契約になっている賃貸では管理会社・大家さんの許可が必要な場合があります。まずは検針票か管理会社に確認してみてください。
切り替え前に確認すべき注意点(対象地域・集合住宅・解約金など)
ガス会社の切り替えを検討する際は、次の4点を必ず確認してください。
①プロパンガス(LPガス)は対象外
今回の都市ガス自由化はあくまで「都市ガス」が対象で、プロパンガス(LPガス)は含まれません。プロパンガスはボンベで各戸に配送する仕組みのため、都市ガスの導管を使う自由化とは制度が異なります。ご自宅がどちらの契約か分からない場合は、検針票やこれまでの請求書で確認しましょう。
②集合住宅は管理会社・管理組合への確認が必要な場合がある
マンションやアパートで、建物全体がまとめてガスの供給を受けている場合、入居者が個人の判断だけで契約先を変更できないことがあります。建物単位(コミュニティ単位)での契約になっているケースでは、管理会社や管理組合への確認が必須です(出典:都市ガス自由化とは?解説サイト「賃貸マンション・アパートでもガス会社は乗り換えられる?」、確認日2026-08-07)。
一方、各戸ごとに個別のガスメーターがあり、契約者本人が都市ガス会社と直接契約している場合は、賃貸であっても基本的に切り替え可能とされています。
③解約金が発生するプランもある
自由化後に登場した料金プランの中には、契約期間の縛りや解約金が設定されているものもあります。「安さ」だけを見て申し込む前に、現在契約している会社の解約条件と、新しく申し込む会社の契約条件の両方を確認しておくと安心です。
④導管が届いていない地域では選択肢が限られる
都市ガスの導管は日本全国に均一に整備されているわけではありません。導管が届いていない地域では、そもそも都市ガス自体を選べない(プロパンガスのみ)場合や、選べる会社の数が少ない場合があります。
チェックリスト:あなたはガス会社の切り替え対象?
- 検針票や請求書に「都市ガス」と記載されている(プロパンガス・LPガスではない)
- 戸建て、または集合住宅でも個別にガスメーターと契約がある
- 建物全体でまとめて供給されている場合は、管理会社・管理組合に確認済みである
- 今のガス契約の解約条件(解約金の有無)を確認している
| 条件 | 切り替え可否の目安 |
|---|---|
| 都市ガス(導管ガス)を契約している | ○ 対象 |
| プロパンガス(LPガス)を契約している | × 対象外(都市ガス自由化とは別制度) |
| 戸建て・持ち家で個別契約している | ○ 基本的に問題なく切り替え可能 |
| 賃貸で個別に契約者本人になっている | ○ 切り替え可能(契約名義に注意) |
| 集合住宅でまとめて供給されている | △ 管理会社・管理組合の同意が必要な場合あり |
| 都市ガスの導管が整備されていない地域 | × 選べる会社が少ない、または対象外 |
チェック項目を満たしていれば、切り替えの準備はほぼ整っています。ここからは、量販店で電気の見直しを数多く提案してきた立場から、ガスについて感じていることをお伝えします。
著者の現場経験からひとこと
量販店での提案で大切にしていたのは、契約後にお客様が損をしないことでした。件数を追う立場でも、月額が上がる提案や後から後悔するような契約は一切しませんでした。この姿勢はガスについても同じだと思っています。
正直に言うと、量販店でガス単体を積極的に提案する機会は、電気やスマホほど多くありませんでした。ですが、電気の契約先を見直したお客様に「ガスの方は変えていますか?」と聞くと、「そういえば一度も見直したことがない」という反応がとても多かったのを覚えています。
電気を見直したタイミングで、ガスも一緒に確認してみるのは理にかなっていると思います。ただし、切り替えれば必ず安くなると断言することはできません。使用量やプランによって差が変わるからこそ、比較サイトのシミュレーションでご自身の条件に近い目安を確認したうえで、焦らず判断することをおすすめします。
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よくある質問(FAQ)
Q. ガス会社を切り替えると、ガスの匂いや火力、安全性は変わりますか?
A. 変わりません。ガスを家庭まで届ける導管は切り替え後も同じものが使われ、保安・緊急時対応も引き続き地域の一般ガス導管事業者が担当します。
Q. プロパンガス(LPガス)を使っていますが、この自由化で会社を切り替えられますか?
A. 今回の都市ガス自由化の対象外です。プロパンガスは配送の仕組みが都市ガスと異なり、別の制度で運用されています。
Q. マンション住まいですが、自分の判断だけで切り替えられますか?
A. 各戸に個別のガスメーターがあり契約者本人になっている場合は基本的に可能です。ただし建物全体でまとめて供給されている場合は、管理会社・管理組合への確認が必要になることがあります。
Q. 切り替えに解約金はかかりますか?
A. 契約しているプランによっては解約金が発生する場合があります。申し込み前に、今の契約内容と新しい契約先の条件を両方確認してください。
Q. 切り替えでどれくらい安くなりますか?
A. 使用量や地域、選ぶプランによって差が大きく、一律の金額をお伝えすることは難しいのが実情です。比較サイトのシミュレーションを使うと、ご自身の状況に近い目安を確認できます。
実際に申し込むとしたら、まず何から始めればいいですか?
まずは今の検針票を見て、契約が「都市ガス」か「プロパンガス」かを確認してください。都市ガスであれば、比較サイトのシミュレーションで複数のガス会社のプランを比べてみるのがおすすめです。集合住宅にお住まいの方は、申し込む前に管理会社へ一言確認しておくと、後からのトラブルを避けられますよ。
まとめ
都市ガスは2017年4月から自由化されており、都市ガスを契約している方であれば、ガス会社を切り替えて料金プランやセット割を見直すことができます。切り替えても導管は同じものを使うため、安全性や供給の安定性は変わりません。
ただしプロパンガスの方は対象外で、集合住宅では管理会社・管理組合への確認が必要になる場合があります。まずはご自身の契約が都市ガスかどうかを検針票で確認し、比較サイトのシミュレーションで目安をチェックすることから始めてみてください。







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