結論:多くの場合、戻ってきます。ただし「あとから・条件つき・自分で申請」です。
乗り換え先の事業者が用意している「乗り換え費用の還元制度」は実在します。ただし申し込みと同時に申請し、前の会社が発行した証明書を期限内に出さないと、1円も戻りません。受け取りは現金振込とは限らず、郵便為替やポイントのこともあります。「実質0円」という言葉だけで判断しないでください。
「解約金が発生するので乗り換えられない」。これは、量販店で通信サービスの提案を9年担当してきたなかで、いちばん多く聞いた足止めの理由でした。ところが実際に費用を計算してみると、思っていたほど手元から出ていかないケースが多い。理由は、乗り換え先の事業者が解約金を肩代わりする制度を持っているからです。
ただしこの制度は「自動で適用される割引」ではありません。申請の手続きと、期限と、対象範囲があります。ここを知らずに乗り換えると、あとから「もらえるはずのお金がもらえなかった」ということが起きます。この記事では、公式の提供条件書に書かれている内容そのものを確認しながら、対象・条件・落とし穴を整理します。
そもそも何が「補填の対象」になるのか
乗り換えのときに前の会社へ払うお金は、ひとまとめに「解約金」と呼ばれがちですが、実際は性質の違う3つが混ざっています。還元制度は、この3つをどこまでカバーするかで差が出ます。
| 前の会社へ払うお金 | 中身 | 補填の対象になりやすいか |
|---|---|---|
| ① 契約解除料金 (いわゆる違約金) |
定期契約の途中で解約したときに発生する。更新月に解約すればかからない | 対象になることが多い |
| ② 撤去工事費 | 引き込んだ設備を撤去する工事の費用。事業者や住居の条件によって発生する | 対象になることが多い |
| ③ 端末の残債 | ホームルーターやモバイルWi-Fiの本体を分割で買っていた場合の残り | 対象になるが上限が別に決まっていることがある |
逆に、月額料金の未払い分・オプションの利用料・返却しなかった機器の損害金などは、還元制度の対象外として扱われるのが一般的です。「解約時に請求された金額の全部が戻る」わけではない、というのが出発点になります。
解約金が5万円くらいかかりますよって言われたんですけど…それって本当に戻ってくるんですか?
対象になっていれば戻ってきます。ただし「今すぐ相殺される」のではなく、いったん自分で払ったあと、数か月後に還元される形です。だから乗り換え直後は一時的に持ち出しが増えます。ここを知らずに申し込むと「話が違う」と感じる方が多いんです。
SoftBank光・SoftBank Airの「あんしん乗り換えキャンペーン」を条件で見る
制度の中身がいちばんはっきり公開されているのが、ソフトバンクの「SoftBank あんしん乗り換えキャンペーン」です。公式の提供条件書に書かれている内容を、そのまま表にしました(2026年9月8日時点で公式ページを確認)。
| 項目 | 公式の提供条件書に書かれている内容 |
|---|---|
| 対象サービス | SoftBank 光/SoftBank 光+/SoftBank Air |
| 対象になる費用 | 他社サービスの解約時に発生する契約解除料金・撤去費用・端末を購入した場合の残債 |
| 還元額 | 合計で最大100,000円。提出した証明書に記載された違約金の合計金額に応じて金額が決まる |
| 個別の上限 | モバイルWi-Fiルーター端末代金の残債は42,000円が上限(超えた分は42,000円とみなして計算) |
| 受け取り方法 | 現金振込ではなく普通為替。特典適用確定日の翌月下旬より順次発送 |
| 申し込み方法 | 対象サービスの申し込みと同時にキャンペーンへ申し込むこと |
| 課金開始の期限 | SoftBank 光/光+は申込日から180日以内、SoftBank Airは90日以内 |
| 証明書の提出期限 | 課金開始月を1ヵ月目として6ヵ月目の末日まで |
| 受け取り時期 | 課金開始月を1ヵ月目として7ヵ月目 |
| 複数社の違約金がある場合 | 違約金がもっとも高い1社の金額を還元(合算されない) |
| 対象外になる人 | ソフトバンクが提携する「ケーブルライン」取扱のケーブルテレビ事業者の回線を利用中の場合など |
読み解くポイントは3つあります。1つ目は「最大100,000円」は上限であって全員の金額ではないこと。実際の金額は、提出した証明書に書かれた違約金の合計で決まります。2つ目は受け取りが普通為替であること。振り込まれるのではなく郵便で届き、郵便局で換金する必要があります。3つ目は2社ぶんの違約金があっても合算されないことです。
代理店の独自キャッシュバックとは別の制度です
ここで混同しやすいのが、「事業者そのものが出すキャンペーン」と「申込窓口(代理店)が独自に出すキャッシュバック」は別物だという点です。たとえばエヌズカンパニーの窓口から申し込んだ場合、1ギガの新規契約で最大35,000円、10ギガの新規契約で最大50,000円という独自のキャッシュバックがあり、こちらは申請不要で口座へ振り込まれます(2026年9月8日時点)。
ただし両方を必ず併用できるとは限りません。公式の提供条件書には「当社または当社の代理店が提供するキャンペーンのうち、当社が指定するものについては併用して適用することができません」と明記されています。申し込む前に、その窓口で併用の可否を必ず確認してください。
ドコモ光の場合は「ポイント」で戻ってくる
還元の形は事業者によって違います。ドコモ光には、他社から乗り換えた人向けの公式特典があります(GMOとくとくBBのドコモ光公式ページで2026年9月8日時点の記載を確認)。
| 項目 | 記載されている内容 |
|---|---|
| 特典 | 他社からの乗り換えで最大100,000ptプレゼント |
| ポイントの種類 | dポイント(期間・用途限定) |
| 対象になる費用 | 他社光回線/他社ホームルーター回線の解約金・撤去工事費・端末残債 |
| 対象の申し込み | 「ドコモ光 1ギガ/10ギガ(2年定期契約)」を「新規」または「事業者変更」で申し込むこと |
| 注意 | 特典の進呈には条件がある。所定期間の契約継続が必要 |
ここで見落としやすいのが「ptであって円ではない」ことです。期間・用途限定のdポイントは、使える期限と使える先が決まっています。解約金の支払いに充てられるわけではなく、日常の買い物などで消費していく形になります。同じ「最大100,000円相当」でも、現金相当の為替とポイントでは価値が違うという前提で比べてください。
ポイントでもらえるならそれでもいいかなって思っちゃいました。
そこは正直にお伝えしたいところです。キャッシュバックの受け取り方法は事業者によって異なります。現金振込・郵便為替・ポイント付与など形がバラバラで、受け取り期限がある場合も多く、期限を過ぎると無効になります。契約時に「どの形で・いつ・どうやって受け取るのか」を必ず確認しておいてください。
1円ももらえなくなる5つの落とし穴
制度そのものより、実際に取りこぼしが起きるのはこの5つです。
- 申し込みと同時に申請していない。あとから「やっぱりキャンペーンも使いたい」と言っても遡って適用されない設計になっています。
- 証明書が用意できない。還元には、前の会社が発行した「違約金の項目と金額が分かる書類」が必要です。契約情報・契約者氏名・金額が読み取れないと不備扱いになります。
- 期限を2つとも守れていない。証明書の提出期限と、特典を受け取る期限は別です。ソフトバンクの場合、提出は課金開始月から6ヵ月目の末日まで、受け取りは特典適用確定日から4ヵ月後の末日を過ぎると権利が失効します。
- 名義がずれている。証明書に書かれた氏名は、申込者本人または同じ名字の家族に限られます。実家名義のまま乗り換えると、ここで止まることがあります。
- そもそも対象外の回線から乗り換えている。ソフトバンクの場合、提携するケーブルテレビ事業者の回線を利用中の人は対象外と明記されています。
どれも「知っていれば防げた」ものばかりです。乗り換えを決めた日にやることは、解約の連絡ではなく、還元の申請条件を読むことです。
証明書はどこでもらう?いつ出す?
もっとも詰まりやすいのが証明書です。手順そのものは難しくありません。
- 新しい回線を申し込む。このとき同時に還元キャンペーンにも申し込む。
- 新しい回線が開通したことを確認してから、前の会社へ解約を申し出る。
- 解約後に届く解約金の明細・請求書を保管する。会員ページに金額が表示される事業者なら、その画面のスクリーンショットでも受け付けられる場合があります。
- 指定された方法(ウェブのアップロード、または書類の郵送)で提出する。
提出する書類には、確認に不要な個人情報を塗りつぶすよう指定されていることがあります。また、いったん提出して条件を満たすと判定された時点で金額が確定するため、「あとで高いほうの証明書を出し直す」ことはできません。複数の解約が絡む場合は、出す前にどれがいちばん高いかを確かめてください。
それでも「乗り換えないほうがいい人」がいます
ここまで還元制度を説明してきましたが、還元があることは乗り換える理由にはなりません。次に当てはまる人は、今の回線のままでいいと考えています。
- 今の速度と料金に不満がない。光回線は各社の月額料金がほぼ横並びで、値段で選ぶ必要はほとんどありません。重要なのはスマホとのセット割・キャッシュバックの有無・乗り換えのしやすさで、そのどれも改善しないなら動く必要はありません。
- 更新月が近い。あと数か月待てば契約解除料金そのものが発生しないなら、証明書のやり取りも不要になります。
- プロバイダのメールアドレスを日常的に使っている。乗り換えるとそのアドレスは引き継げないことが多く、還元額よりも変更の手間のほうが大きくなる場合があります。
- 数か月以内に引っ越す予定がある。引っ越し先で使えるかが未確定のまま契約すると、還元の条件(一定期間の利用継続)を満たせなくなる可能性があります。
逆に、すでに乗り換えを決めている人にとっては、還元制度を使わない理由がありません。同じ乗り換えでも、申請したかどうかで数万円変わります。
よくある質問(FAQ)
Q:お金はいつ戻ってきますか?
A:ソフトバンクの「あんしん乗り換えキャンペーン」の場合、課金開始月を1ヵ月目として7ヵ月目に普通為替が発送されます。乗り換えた翌月にすぐ戻ってくるものではありません。
Q:撤去工事費も対象になりますか?
A:ソフトバンクの提供条件書には、対象として契約解除料金・撤去費用・端末を購入した場合の残債が明記されています。ドコモ光の公式特典も、解約金・撤去工事費・端末残債が対象と記載されています。
Q:光回線とモバイルWi-Fiの2つを解約します。両方の違約金が戻りますか?
A:ソフトバンクの場合は合算されず、違約金がもっとも高い1社の金額が還元されます。提出前にどちらが高いかを確認してください。
Q:証明書には何が書かれている必要がありますか?
A:前の事業者が発行したもので、契約情報(サービス名・プロバイダー名など)、契約者氏名、違約金の項目と金額が読み取れることが条件です。ホームルーターやモバイルWi-Fiの場合は、機種が分かる項目と残債金額も必要になります。
Q:ケーブルテレビからの乗り換えでも使えますか?
A:ソフトバンクの場合、同社が提携する「ケーブルライン」取扱のケーブルテレビ事業者の回線を利用中の人は対象外と明記されています。契約中のケーブルテレビが該当するかは、申し込み前に確認が必要です。
まとめ
乗り換えでかかる解約金・撤去費用・端末残債は、乗り換え先の還元制度でかなりの部分を取り戻せます。ただし戻ってくるのはあとから・条件つき・自分で申請したぶんだけです。
- 申し込みと同時にキャンペーンへ申請する
- 前の会社が発行する証明書を必ず取っておく
- 提出期限と受取期限の2つを確認する
- 受け取りが現金・為替・ポイントのどれかを先に把握する
この4つを押さえておけば、乗り換えの費用はほとんど怖くありません。逆に、今の回線で困っていないなら、還元目当てで動く必要はありません。
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※本記事はPRを含みます。掲載情報は2026年9月8日時点のものです。キャンペーンの内容・適用条件・期間は予告なく変更される場合があるため、申し込みの前に各社の公式サイトの提供条件書を必ずご確認ください。



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