光回線を乗り換えたい人がいちばん気にするのは「今の回線をやめるのに、いくら取られるのか」です。ここに2026年から新しい費用が1つ増えました。NTT東日本・NTT西日本が2025年10月31日に発表した撤去工事費の新設です。
これまで解約時の撤去は無料でした。そのつもりで解約すると、条件によっては1万円台から2万円台の請求が発生します。逆に、選び方を1つ変えるだけで0円のままにできます。この記事では公式発表の内容だけを使って、かかる場合・かからない場合をはっきり分けて説明します。
何が変わったのか:2026年4月1日以降の「解約申し込み分」から
変わったのは解約するときの工事費です。NTT東日本・NTT西日本はどちらも、2026年4月1日以降の解約お申し込み分から、撤去のために工事担当者が訪問する「派遣工事」に限って費用を請求するようになりました。
ポイントは「解約した日」ではなく「解約を申し込んだ日」が基準になることです。すでに施行済みなので、いま解約を申し込む人は全員この新しいルールの対象になります。
派遣工事と無派遣工事の違い
| 工事の区分 | 何が起きるか | 撤去工事費 |
|---|---|---|
| 無派遣工事 | 工事担当者は来ない。引込線などの設備はそのまま残し、ONU(回線終端装置)などのレンタル機器を自分で郵送して返却する | 無料 |
| 派遣工事 | 利用者の希望や物件の都合で、工事担当者が訪問して設備の撤去・機器の回収を行う | 有料(下表) |
つまり「工事の人に来てもらうかどうか」だけで、0円か1万円台〜2万円台かが決まります。NTT西日本は公式のよくある質問で「無料で解約するには」という問いに対し、無派遣工事を選べばこれまでどおり無料になる、とはっきり答えています。
解約するのにお金がかかるようになったって聞いて不安になりました…。もう乗り換えないほうがいいですか?
そこは落ち着いて大丈夫です。かかるのは工事の人に来てもらった場合だけで、機器を自分で送り返す無派遣工事なら0円のままです。量販店の現場でも「光回線の乗り換えは面倒そう」と思っているお客様がほとんどでしたが、実際は今フレッツ光や光コラボをお使いなら工事は一切不要で、ルーターを差し替えるだけで終わるケースが大半でした。
撤去工事費はいくらか(NTT東日本・NTT西日本の公式金額)
金額はNTT東日本とNTT西日本で違います。どちらも税込で、基本工事費8,250円を含んだ標準的な金額です。
| 事業者・住居タイプ | 派遣工事の撤去工事費 | 2026年7月1日以降に 公式サイト以外から申し込んだ場合 |
|---|---|---|
| NTT東日本/戸建て向け | 13,200円 | 基本工事費が1,100円加算 |
| NTT東日本/集合住宅向け | 11,000円 | 基本工事費が1,100円加算 |
| NTT西日本/戸建て向け | 20,900円 | 22,000円 |
| NTT西日本/集合住宅向け | 14,300円 | 15,400円 |
※NTT東日本・NTT西日本の公式発表(2025年10月31日)にもとづく税込金額です。いずれも無派遣工事は無料。土曜・日曜・祝日や年末年始に工事を実施する場合は、上記に加えて3,300円が加算されます。最新の条件は各社の公式ページでご確認ください。
見落としやすいのが右の列です。2026年7月1日以降は、NTT公式サイト以外の窓口から解約を申し込むと金額が上がります。電話で解約を申し込むより、公式サイトから手続きしたほうが安く終わる、という構造になっています。
撤去工事費がかからない4つのケース
NTT東日本・NTT西日本はどちらも、次の場合は解約時の撤去工事費が不要だと明記しています。
- NTT側の都合で派遣工事になる場合
- シェアドアクセス事業者へ移行するために、同じ日にNTTのサービスを解約し、いま使っている設備をそのまま再利用する場合
- IRUエリアで対象サービスを利用している場合(自治体が整備した光インフラを使ってサービスが提供されている地域)
- 移転やプラン変更などで、サービスの利用そのものは続ける場合
加えて、NTT西日本は集合住宅について「対象の光回線をマンションオーナーなどが契約している場合、撤去工事費はオーナー側の負担になる」と案内しています。賃貸で、回線契約が自分名義ではなく建物側にある人は、そもそも入居者の負担にならないということです。
解約時に出ていくお金は3種類ある。混ぜて考えない
撤去工事費は新しく増えた1つにすぎません。乗り換えのときに出ていくお金は、性質の違う3つに分けて考えると整理できます。
| 費用の種類 | 中身 | 減らし方 |
|---|---|---|
| ① 撤去工事費 | 解約時に工事担当者が訪問した場合の費用(今回新設された部分) | 無派遣工事を選ぶと0円 |
| ② 解約金(違約金) | 契約期間の途中で解約したときに発生する費用。金額は契約中のサービスによって違う | 更新月に解約する/乗り換え先の補填キャンペーンを使う |
| ③ 工事費の残債 | 開通時の工事費を分割払いしている途中で解約した場合に残る支払い。解約金とは別の債務 | 分割が終わるまで待つ/乗り換え先の補填キャンペーンを使う |
ここで一番混同されやすいのが②と③です。「違約金がかからない契約だから解約はタダ」と考えていると、③の工事費残債が一括で請求されて驚くことになります。解約金の有無と、工事費残債の有無は別々に確認してください。
更新月に解約すれば全部タダになると思っていました…。
更新月に効くのは②の解約金だけです。③の工事費残債は契約期間と関係なく残りますし、①の撤去工事費は工事の頼み方で決まります。3つは別々のスイッチだと思ってください。店頭でも、この3つを分けて説明すると「じゃあ今のうちにやっておきます」と決められる方が多かったです。
出ていくお金を、乗り換え先に補填してもらう
②の解約金と③の工事費残債については、乗り換え先が肩代わりする仕組みを用意していることがあります。代表的なのがSoftBankのあんしん乗り換えキャンペーンです。
SoftBank光・SoftBank Airへ乗り換える場合、他社で発生した契約解除料・撤去工事費・端末の残債を、最大100,000円まで還元する内容が公式に案内されています(モバイルWi-Fiルーターの端末残債は42,000円が上限)。
ただし、もらうためには手続きが要ります。課金開始月から6ヶ月目の末日までに、証明書をアップロードするか、証明書貼付シートを返送する必要があります。還元は特典適用が確定した翌月下旬から、普通為替で送られてきます。証明書とは、解約した会社から届く請求書や利用明細のことです。捨ててしまうと申請できません。
なお、SoftBank光の申し込み窓口によっては、これとは別にキャッシュバックが用意されています。当サイトが確認した窓口では、10ギガの新規契約で最大50,000円、1ギガ・光+2.5ギガの新規契約で最大35,000円、転用・事業者変更で最大20,000円が、申請不要で課金開始月の翌月末に指定口座へ振り込まれます(2026年9月8日時点)。
著者の現場経験からひとこと
家電量販店で通信サービスの提案を9年担当してきましたが、乗り換えをためらう理由の1位は今も昔も「今の回線をやめるのにいくらかかるか分からない」でした。金額が高いからではなく、分からないから動けないのです。
実際に紙に書き出してみると、多くのケースで想像より小さい金額に収まります。今回の撤去工事費も、無派遣工事を選べば0円です。そして解約金と工事費残債は、乗り換え先の補填キャンペーンで実質ゼロに近づけられることがあります。先に金額を確定させてから決める。これが一番遠回りに見えて一番早い順番です。
よくある質問(FAQ)
Q:ドコモ光やSoftBank光などの光コラボも撤去工事費の対象ですか?
A:今回のNTT東日本・NTT西日本の発表は、フレッツ光などの自社サービスについて撤去工事費の新設を案内したものです。光コラボ各社の解約時にどう扱われるかは、契約している事業者の案内で確認してください。光コラボはNTT東西の設備を使っているため影響を受ける可能性がありますが、この発表の撤去工事費の項目には光コラボを対象に含むという明記がありません。推測で判断せず、解約前に契約先へ確認するのが確実です。
Q:無派遣工事は自分で選べますか?
A:NTT西日本は公式のよくある質問で、無料で解約する方法として無派遣工事を選ぶことを案内しています。ただし物件の都合で派遣工事が必要になる場合もあります。解約を申し込むときに、どちらになるか必ず確認してください。
Q:無派遣工事だと、家に引き込まれている線はどうなりますか?
A:引込線などの通信設備は残したままになります。撤去せずに残置し、ONUなどのレンタル機器だけを自分で郵送して返却する形です。
Q:解約を電話で申し込むと高くなるのですか?
A:2026年7月1日以降の申し込み分について、NTT公式サイト以外から申し込んだ場合の金額が別に設定されています。NTT東日本は基本工事費が1,100円加算、NTT西日本は戸建て22,000円・集合住宅15,400円です。手続きできるなら公式サイトからのほうが安く済みます。
Q:賃貸マンションですが、退去時に撤去しないと怒られませんか?
A:原状回復の条件は物件によって違うため、管理会社や大家さんに確認してください。なお、NTT西日本は、対象の光回線をマンションオーナーなどが契約している場合は撤去工事費がオーナー側の負担になると案内しています。
まとめ
2026年4月1日以降の解約申し込み分から、NTT東日本・NTT西日本のフレッツ光などで撤去工事費が新設されました。かかるのは工事担当者が訪問する派遣工事の場合だけで、無派遣工事を選べばこれまでどおり0円です。
金額はNTT東日本が戸建て13,200円・集合住宅11,000円、NTT西日本が戸建て20,900円・集合住宅14,300円。2026年7月1日以降は、公式サイト以外から申し込むとさらに上がります。
乗り換えで出ていくお金は撤去工事費・解約金・工事費残債の3種類です。混ぜずに1つずつ確認し、解約金と残債は乗り換え先の補填キャンペーンが使えないかを見てください。請求書は捨てないでください。それが補填の申請に必要な証明書になります。
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※本記事はPRを含みます。掲載情報は2026年9月8日時点で各社公式サイトを確認したものです。最新の条件は必ず公式サイトでご確認ください。撤去工事費はNTT東日本の報道発表およびNTT西日本の案内、あんしん乗り換えキャンペーンはSoftBank公式を参照しています。



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